記憶には短期記憶と長期記憶があって長期記憶に定着したものがいわゆる「覚えてる」っていう状態なんだよ。
この記事ではKindleUnlimitedで読むことのできる「一流の記憶法」という本で紹介されている記憶術について説明しています。
この記事を読んでわかることはこんな感じです。
・記憶のメカニズムについて
・短期記憶と長期記憶とは
・短期記憶から長期記憶に定着させる方法
以上のような内容について解説していきます。
実際にこの記憶術のやり方を使ってタイ語の学習スケジュールを組んでみたりしているので興味のある方はぜひご覧になってみてください!
Contents
記憶のメカニズムとは
記憶っていうとみなさんはどんなふうに解釈していますか?
「覚えていること」
といったざっくりとしたイメージではないでしょうか
「一流の記憶法」では記憶を3つの過程として捉えています
①覚えるという行為の過程(記名)
②覚えているという状態の過程(保持)
③思い出せるという状態の過程(想起)
この3つの過程で捉えることが大事で、「覚えている」という過程のみで記憶を捉えていると「どのように覚えるのか?」「どうやって思い出すのか?」についての意識があいまいになって記憶の定着と想起がうまく出来なくなりいわゆる「忘れる」という状態になりやすくなると主張します
ではどのような方法で「覚える」「定着する」「思い出す」を行えば記憶が定着するのでしょうか?
その鍵は「短期記憶」と「長期記憶」にあります。
短期記憶とは
「一流の記憶法」では、短期記憶は別名「ワーキングメモリ(作業記憶)」とも呼ばれ以下のような特徴があるとしています。
・意識的に注意を向けた情報で、短期的に記憶に残る状態の情報のこと
・音声的に繰り返したり、頭に思い浮かべたりしている間だけ維持することができる記憶
・繰り返し思い浮かべたりしないと15秒〜30秒くらいで失われてしまう
・ワーキングメモリの容量は7つ前後と言われていたが実は4つ程度しかない
記憶したい対象の情報に意識的に注意を向けることで符号化されて短期記憶に取り込まれるので、なにげなくボーっとみているような視覚情報は短期記憶には取り込まれないとされています。
ですので、まず短期記憶に定着させるためには覚えたいという意識を向けて対象を認識する必要があり、それから短時間のうちに繰り返し思い浮かべるなどの行為をする必要があるようです。
長期記憶とは
「一流の記憶法」では、長期記憶は以下のような特徴があるとしています。
・長い期間保持できる記憶のことで数年、数十年の保持も可能な記憶
・容量は無制限に近く1ペタバイト以上とも言われる(「広辞苑」約3万冊分)
・特定の処理をした情報だけが短期記憶から長期記憶に移行する
短期記憶に保持された情報が失われる前に特定の処理をされた情報のみが長期記憶として保持されることになります。
自分が記憶した情報をいつでも思い出すことができるようになる状態にするためにはこの長期記憶に保持される必要があります。短期記憶の状態であれば数分程度で情報は失われてしまうということのようです。
それではその特定の処理とはどんなことをさしているのでしょうか?
記憶術のやり方と記憶の定着について
「一流の記憶法」では、記憶したい情報を長期記憶に定着させる方法についてはどのような方法が提案されているのでしょう。
①記憶したい対象に注意を向けて短期記憶に保持させる
②短期記憶に定着させるために短時間内に想起を繰り返す
③短期記憶から長期記憶に移行させるため一定時間後に想起を行う
以上のような過程を経ることによりいったん短期記憶に保持された情報が長期記憶に保持されれ定着するとしています。
では具体的にはどのくらいの期間を開けてどのように想起を行えばよいのでしょうか?
短期記憶への定着を行う記憶術
「一流の記憶法」では短期記憶の演習として以下のような方法が提案されています。
記憶の対象は英単語なんかの文字をイメージしてもらえればいいかなと思います。
①記憶する対象を目で見ながら繰り返し唱える
②①の後に記憶する対象を見ないで繰り返し唱える
③②が間違えずに出来たら、5秒くらい間を空けた再度繰り返し唱える
④③が間違えずに出来たら、30秒くらい間を空けた再度繰り返し唱える
ここまで間違えずにできるようになれば一旦長期記憶に保持されるとしています。
ちなみにどこかの段階でうまく唱えられなかったら①に戻ってやり直ししないといけません。
記憶の対象は一つづつではなくて複数個同時に覚える感じで進めて良いかと思います。
単語なんかだったら日本語を見ながら英語やタイ語などを唱えて、書き出すといったアレンジを加えてやってもよいと思います。
次は長期記憶へ定着させる記憶術について見ていきます。
長期記憶への定着を行う記憶術
先ほどまでの手順でいったん長期記憶に保持された状態になっているはずなので、その段階から長期記憶に定着させるための手順を「一流の記憶法」では以下のように提案しています。
⑤先ほどの状態から5分間空けた後、対象を見ないで繰り返し唱える
⑥⑤が間違えずに出来たら1時間空けた後、対象を見ないで繰り返し唱える
⑦⑥が間違えずに出来たら翌日まで間隔を空けた、対象を見ないで繰り返し唱える
⑧⑦が間違えずに出来たら1ヶ月後に対象を見ないで繰り返し唱える
この方法で、徐々に空ける間隔を広げていき、最終的には1ヶ月後でも記憶に残り想起できる状態になることが出来ます。
⑦の翌日に想起するという段階まで出来たらほぼ長期記憶への定着は完了していて、その後の忘却率は極端に下がると言われています
とりあえず翌日まで覚えておくことをひとつの目標にして取り組んでみるとよいかもしれません。
ちなみにどこかの段階でうまく唱えられなかったら①に戻ってやり直ししないといけません。
では実際にこの記憶術のやり方を取り入れて学習カリキュラムを組んでみたいと思います。
記憶術のやり方から学習カリキュラムを組んでみる
私は個人的にタイ語の単語や文章を覚えたいと常々思っているので、ここではタイ語の単語を学習するという想定でカリキュラムを組んでみました。
「一流の記憶法」では最後は1ヶ月後に記憶の定着を確かめていましたが、1ヶ月だと間隔が空きすぎて効果測定しにくいので1週間単位でカリキュラムを組んでみたいと思います。
①単語をタイ語と日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
②単語を日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
③②が成功したら5秒間空けた後、日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
④③が成功したら30秒間空けた後、日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
⑤④が成功したら5分間空けた後、日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
⑥⑤が成功したら1時間空けた後、日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
⑦⑥が成功したら24時間くらい空けた後、日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
⑧⑥が成功したら1週間後に日本語訳を見ながらタイ語を繰り返し唱え書き写す
日本語訳をキーワードにタイ語を記憶に定着させるカリキュラムです。ここまでで記憶に定着していたら合格ということになります。
毎日10単語程度で進めていこうと思います。
1週間でどのくらいちゃんと覚えているかにもよりますが、記憶の定着がうまく行くようなら1ヶ月後に覚えた内容のそう確認をするテストを設けてみるのもよいかもしれません。
まとめ
この記事では「一流の記憶法」から記憶術の具体的なやり方についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか。
まだ長期的に試した訳ではないので効果のほどは未確定ですが、短期記憶の定着から翌日の記憶の定着の段階まではこの方法でけっこううまく記憶できることが実感できました。
単語を覚えるというのは語学の学習者にとって重要な要因ですが、私は記憶力に自信がなかったので正直あまり真剣に取り組む気持ちになれませんでした。
でも、記憶術としてやり方を具体的に落とし込むことができたので、方向性も見えたし、実際に記憶への定着に改善もみられるようになったので、しばらく続けてみようかなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
そのほかタイ語の学習方法やKindleUnlimitedの書籍の紹介などについての記事もございますのでご興味がございましたらぜひご覧になってみたください!